沈黙のカップル

帰りの電車で一緒になった若いカップルに心を奪われました。

大学生ぐらいの若いカップル。名古屋からずっと一緒でした。

いかにもカップル、という感じで乗り込んできたことは記憶にありましたが、桑名駅までは車内が混在していて、そのカップルのことを忘れていました。桑名駅で私の隣の座席が空き、カップルの女性がその空席に座りました。男性の方は彼女の前に立ちました。

しかし、私がずっと本を読んでいたから気づかなかったのか、私の隣で向かい合っている二人からは一言も会話がありませんでした。次の駅まで7〜8分間ずっと。私は少しずつその二人のことが気になり始めましたが、脇目も振らず本を読み続けました。

降りる駅が近づき、いよいよ沈黙のカップルのことが気になって、隣をチラッと見ました。すると、二人はお互いを見つめ合って、遠慮がちに、手話で会話していたのです。

ああ。言葉は無くても通じ合っとったんや。

その後も見つめ合い、控えめな手話で会話を続ける二人を微笑ましく見ながら、下車しました。私は昨日に続き、名字の言新100選を読んで幸せな気分に浸っていましたが、その二人を見て、幸せな気分が大きく膨らんだ気がしました。

🚙

私が帰宅すると、入れ違いに妻が家庭訪問に出掛けて行きました。ならば私は、今夜は唱題の日にしよう。

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