有終の美(名字の言100選②から)

今朝の通勤電車で読んだ〈名字の言100選②〉が印象的でした。

有終の美

1992.8.29

ターミナルケアは通常「終末医療」と訳される。その言葉を「有終の医療」とある医師は表現した。▼五十年以上も人の死と接してきたその医師が、そこで感じたことは「ほとんどの人、90%以上の人が、その人の生涯の中では最も悪い場面で死ぬことです」。地位のある人、金持ち、幸福な人生を送ってきた人・・・。そういった人であっても最期はあまりにもみじめであった、という▼せめて亡くなる一ヶ月、一週間でもよい、ああ、生きてよかった、と思える人生の“有終の美”をかざってほしい、との思いが、その言葉に込められている(医学界新聞)▼この話に感銘を受けるとともに驚きを覚えた。これまで接してきた学会員の死が、悲しみは当然のこととして、それを越える悠々とした姿、そして、そうした悲惨さとは隔絶した感があったからである▼たとえば、ガンと壮絶な闘いを展開し亡くなった青年は「大勝利できた」と言って大らかに亡くなった。大阪の婦人は、これほど深い感謝と喜びの題目を唱えさせてもらったガンに「ありがとう」と言って死に赴いた。そうした姿は多くの人に感動と生きる力を与えている▼この歴然とした現実の姿の中に、妙法の動かざる実証がある。人間勝利の最極の“形”がここにある、と思った。死に直面したとき、人はすべての“衣”を脱がざるをえない▼何によって生きてきたのか、いかにとり繕おうと、まるでリトマス試験紙のように本質を映し出すことであろう。所詮、自分本位の人生であったのか、三世の幸福を築く妙法根本の人生であったのか▼我ら生命の王者の誇り高く、堂々と歩んでいきたい。

記事の紹介だけになってすみませんが、帰りの電車でもう一度読んでも、なお私の心に響いてきましたので、その全文を。

何のために生きるのかー

いつ死に直面しても、人の幸せを祈っていられる境涯となれるよう、真剣のお題目を積んでいきたいです。

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