菰野ボーイズの初戦の応援に行きました。我が家にほど近い北勢球場が試合会場でした。妻は、昴が使っていたユニフォームのほか、スパイクやグローブを菰野バッグに詰め込み、バットも持っていき、「昴も入れてもらっていいですか?」と監督の了解をとり、ベンチに置いてもらっていました。

一回戦の相手は、四日市南ボーイズでした。試合は投手戦になりました。というか、菰野選手の振りが鈍すぎると思いました。見るからに平凡な相手投手をまったく打てませんでした。5回に1失点し、6回の守備は無惨でした。ミスが重なり3失点。7回もミスを重ねて3失点し0-7。ボーイズの試合は7回までですので、最終回となる7回の裏、代打はるとの一打で3点を返しましたが、万事休す。まさかの初戦敗退となりました。

ショックです。呆然としました。選手もお母さんも、みんな泣いていました。

昴の同期生、実力的にはベスト4を狙え、みんなの心を一つにして優勝を目指していました。私たちも必死に応援してきました。しかし、あっけないものですね。チームの歯車が狂ってしまうと、ここまでもあっけなく崩壊するものでしょうか。

試合後、ふじなみコーチが3年生の親さんに話をしてくれました。

昴は甲子園に出場するような選手だった。昴を亡くし、昴写真展で、昴の力を残されたチームメイトに与えてやってくれとメッセージに思いを込めた。そしてここまでみんな頑張ったが、全国大会は逃すことになってしまった。しかし、この中の誰かが高校野球で甲子園を目指し、昴を一緒に甲子園へ連れていってやってくれと。

私は泣けてきました。

この試合序盤、笠間メールが入りました。東海大会の初戦、岐阜代表に延長の末勝利したとのことで、決勝の結果にかかわらず全国大会進出が決まったそうです。菰野の試合が0-0の場面でしたので、すぐさま「おめでとう。」とだけ父親グループラインに入れましたが、その後菰野ボーイズが負けてしまったショックで、とても笠間クラブへ祝福に行く気分にはなりませんでした。でも、全国大会進出おめでとう。

失意のまま帰宅してすぐに読んだ、今日の〈名字の言〉が印象に残りました。

▼大人は、一方的に子どもを教訓できるほど完成された人間なのか――むしろ、経験が大人を堕落させていることも少なくない。「子供を教えるということはむしろ僣越である。われわれこそ子供より学ぶべき多くのものを持っている」とはロシアの文豪トルストイの叫びだ

▼「育児」は「育自」、「教育」は「共育」という。大人自身も子どもから学び、共に向上していかなければならない。その第一歩は、子どもたちの声に全力で耳を傾けることである。

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