思いやり

さきほど、乗り換え駅のホームで、心温まる光景を見かけました。

雨が強く降っていましたので、私はホームの隅っこの壁際で、コーヒーをすすりながら雨の吹き込みを避けていました。

電車の到着を知らせるアナウンスが流れましたので、私がいつもの乗車位置へ歩いて行くと、隣の乗車位置で、60歳ぐらいのおじさんが男性の背中をこすっていました。よく見ると、おじさんの前に立っている若いサラリーマンの肩から背中にかけてワイシャツがびしょ濡れでした。傘をさして自転車にでも乗って駅まで来たのでしょうか。おそらくそのおじさんは、たまたま同じ乗車位置に並んだだけのようでしたが、目の前のびしょ濡れのサラリーマンを見て、たまらず自分のタオルで濡れた背中を拭いてあげたのでしょう。その後の二人の様子からは、二人が身内でないことは明らかでしたが、まるで親子のようなあたたかさに包まれた光景でした。