思いは必ず伝わる
通勤電車の中で〈名字の言選集1〉を読んでいます。その中の、以下の作品がすごくいいなぁと思いました。2010年11月22日の〈名字の言〉です。
知的障害のある子どもが、公的補助の申請に必要な医師の診断を受けた。「お父さんは男の人です。では、お母さんは?」質問に、「元気いっぱいに即答した。「大好きです!」。
作家の柳田邦男氏が自著『人の痛みを感じる国家』で紹介したエピソードである。両親とは、頭の中で考える前に、無条件に、かけがえのない存在−−−子どもの心には、そう映っていた。
重度の精神発達遅滞の子どもを育てる男子部の友は、親子のコミュニケーションが成り立たないことが悩み。それを乗り越えたいと祈ってきた。ある日、いつものように、子どもが満面の笑みで、父である自分の顔をなで回した。はっとした。「息子は、ずっと私に語りかけていたんだ」。
言葉は心の窓ではある。しかし、心を通わせる窓は、言葉だけとは限らない。心から相手を愛し、信頼していれば、思いは必ず伝わる。どんな方法でも伝えられる。子どもたちは、それを教えてくれている。
「思いやり」とは「思いを遣る」。すなわち、思いを相手の心に差し向けることだと、かつて池田名誉会長は語った。「思いを遠く遣った分だけ、わが心は広がる」と。心の窓を大きく開け放って、家庭に職場に地域に、思いやりの風を吹かせていきたい。
心から相手を愛し、信頼していれば、思いは必ず伝わる。
この確信を大事にしていきたいと思いました。