利他の実践

今日の〈わが友に贈る〉です。

そして、今日の〈名字の言〉です。

84歳の壮年は小学生から中学生の時まで、父親の病のため、叔父のもとで暮らした。叔父は他宗の住職。壮年は毎朝午前5時に起床し、雑巾がけを手伝った。冬場も続け、手はあかぎれだらけになった▼血がにじむ彼の手に、小学校の先生が気付いた。先生は職員室で、その手を優しく握って温めた。両親と離れて生活する寂しさから、彼の心はすさみかけていた。「あれから随分と時がたつけれど、あの手のぬくもりは今も忘れることができない」と、壮年は感慨深く振り返った▼牧口先生は北海道の教員時代、あかぎれの子の手をお湯で洗ってあげたり、雪道を帰宅する児童を背負ったりすることもあった。当時、同じ小学校で教育実習を受けたある人は、先生の姿を通して、「私は真の人間教育ともいうべきものを教わった」と述べている▼毎朝、児童が喜んで学校に登校するかどうかは、教師の「慈顔と朋輩の熱情」による――これが、牧口先生の信念だった。先の教育実習生をはじめ、牧口先生に関する幾つかの証言が残っている。そこから浮かぶのは、一人一人の児童に慈顔を向け、朋輩に熱情を注ぐ、先生の姿だ▼わが家、わが地域の子どもたちの心を、温かく包むような思い出を残す夏としたい。

毎日暑い日が続きますが、利他の実践でいきましょう。

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