チーム
ゆめは今朝も始発電車に乗っていきました。ただ今日は、もう野球の格好はしていませんでしたが・・・。今日は夏の県予選の開会式です。
今朝手にした池田先生の〈わが愛する青年に贈る〉に、先生が昭和25年の日記に記した次の一節がありましたので、朝ご飯を食べていたゆめに読んで聞かせました。
「社会には、勝つ人もいる。敗れる人もいる。運、不運は計り知れない。しかれども、勝っても、永久にその歓びは続くものではない。一時は負けても、自覚のある人は、勝者以上に、より高く、広く、深く、将来の、偉大さを、築きゆけるものだ。永久に、敗れざる限り、次への一歩一歩の、勝利を確信して生きぬくことだ。」
そうかーーー
ゆめは、今まで一回も諦めずにずーっと努力し続けてきたよな。今回選ばれんかったことは悔しいけど、今まで頑張り続けてきたことで、すでにゆめは勝利者なんやに。
選ばれんかったゆめ達が、選ばれた選手のために、チームのために尽くせば、その姿はきっとチームメイトの大きな力になるし、チーム力アップにつながる。だから今日からは、選ばれた選手のために、チームのために全力で尽くしてきなさい。頑張っておいでーー
そう話して、ゆめを送り出しました。
妻は一夜明けても気持ちの整理がつかないようで、今朝もシクシク泣いていました。一昨年、昴の事故があり、その直後から始まったゆめの高校野球生活でした。毎朝1キロの弁当を作り、夜はドロドロになったユニホームを洗い、破れたズボンやストッキングを縫い、疲れきったゆめの全身をマッサージし・・・。妻は誰よりもゆめの野球生活を助け、ゆめに寄り添い、励まし続けてきてくれました。昴の悲しみに押しつぶされそうな時も、家族の誰よりも気丈に家族の生活を支えてくれました。
だから、今は、彼女の喪失感が一番大きんだと思います。
俺たちは、親として、チームのために全力で尽くしているゆめを、全力で応援していこう。俺たちの姿をゆめに見せていこう。そう妻を励ましました。
でも・・・
ある程度覚悟はしていましたが・・・
寂しいですね。