大切な人のために
私は今、帰りの電車で〈新・名字の言選集(新時代編)〉を読んでいます。さきほど読んだ作品がとても良かったので、ご紹介します。
大切な人のために
2016・8・8
少年は、父を戦争で失い、内職で手袋を編む母に育てられた。別々に編んだ手の甲と手首の部分をつなぐ作業に、いつも母は苦労していた。そこで機械好きの少年は、簡単に縫い合わせることのできるミシンを発明した。
“少年”は、後にニット製品を立体的に丸ごと編める機械を開発し、ファッション界に衝撃を与えた島正博社長(島精機製作所)である。利潤のためだけでなく、“大切な母のため”という純粋な思いと努力が原動力となって、多くの人々を助ける機械は世に送り出された。
ある壮年は、大病を再発し、余命を告げられた。彼は決意した。“これまで付きっきりで看病してくれた妻が、安心して会合へ行けるよう、必ず元気になる!”と。
それ以降の彼の回復ぶりは驚くばかりだった。ある日、彼は車いすから立ち、歩いてみせた。医師も「もう心配ない」と。数日後、夫人は久々に座談会へ。夫婦二人三脚で奮闘してきた報告に、同志は拍手を送った。
後日、「自分の命を永らえるだけを目標にしていたら、こんなに力は出なかった」と、彼は語った。“あの人のために”と心を定める時、人は自分でも想像できない力を発揮できる。「自他共の幸福」という無上の喜びを味わうことができる。「心こそ大切」である。
😊
今日の帰りウォーキング時のイチョウ並木です。今日は丸の内歩道橋から名古屋駅方面をのぞんでいます。
それにしてもきれいでしょう。ちと、明るくし過ぎたかな。