吃音-真剣な言葉 必ず届くと信じて

昨日は疲れがたまっていて、帰りの電車で本を持ったままウトウトしてしまい、夜もゆめの帰りを待って、一人先に寝てしまいました。

そして今朝もゆっくり目に寝させてもらいました。大掃除の疲れでしょうね。

今日の聖教新聞は〈信仰体験〉ですね。泣けてきた。そして、昴のことを思い出した。「生きていてほしかった・・」

長いですが、全文をご紹介します。

〈信仰体験 ターニングポイント〉

 真剣な言葉 必ず届くと信じて 佐藤雅敏さん 2018年10月27日
足の障がい、吃音の困難の先に

 佐藤雅敏は、人前で話すことが大の苦手。幼い頃から、吃音で悩んできたから。
 そんな雅敏が、約2000人の前で、信仰体験を発表することになった。本年9月2日、神奈川で行われた首都圏牙城会総会。不安は大きかった。だが、それ以上に、伝えたい思いがあった。
 車いすで演壇に向かった雅敏。深呼吸を一つ。それでも、原稿を持つ手が震えた。
 「み、み、みなさん、こんにちは」
 焦るなと、言葉を継ぐ。
 「わ、わ、わたしには、二つの悩みがあります。一つは、生まれつき、脊髄髄膜瘤という難病の影響で、補助具なしでは、一人で歩くことができないことです。も、も、もう一つは、普段から言葉が思うように出せず、ど、ど、どもってしまうことです……」
 聞きづらくなっても、最後まで読み切りたい。真剣な言葉は必ず届くと信じ、体験を語り始めた――。
 * 
 1993年(平成5年)4月13日、雅敏は腰の脊椎が閉鎖せず、包まれているはずの脊髄が背中に露出したまま、生まれてきた。
 手術は6時間に及ぶも、下半身に障がいが残った。医師は「一生、歩くことはできないでしょう」と。
 泣き崩れる父。気丈に振る舞う母。「私たちには信心があるよ……」と肩を寄せ合った。
 小学校に入ると、いじめられるようになった。クラスメートに無視されたり、足の装具をゴミ箱に捨てられたり。
 “嫌われたくない”。そう思えば思うほど緊張し、言葉がどもる。話し方をマネされ、笑われた。
 毎日一人で、給食を食べた。“僕は障がいがあるから、ずっといじめられる。それが運命なんだ”――そう諦めていた。
 家にいる時間だけは、ほっとできた。だが、中学3年の時、最愛の父が急逝する。
 “どうして、大切な家族まで奪っていってしまうの?……”
 学校では、いつまでたっても独りぼっち。苦しくて、寂しくて、“死んでしまいたい”と思った。“でも、お母さんやきょうだいを悲しませてしまう……”
 「マットン、よく来たね!」
 そう言って迎えてくれる人がいた。創価学会の男子部の“お兄さん”だ。学会の会館に行くと、ひょいとおぶっては、館内を案内してくれた。
 いつもいじめられ、存在を否定される世の中で、学会は「生きるための逃げ場」だった。ある時、“お兄さん”はこう言った。
 「マットン、二つ約束しよう」。成人式を迎えたらお酒を酌み交わすこと。将来、牙城会に入って一緒に赤いネクタイを着けること――。真っ暗だった未来に、少しずつ、楽しみが増えていった。
 学会の人たちは、いつも親身に話を聴いてくれた。どもっても笑わない。真剣な人を笑わない。“ありのままの僕でいいんだ”。そう思えることが、うれしかった。
 定時制の高校を卒業し、地元の製造会社に就職した。だが、上司から「もっと早く働け!」と罵声を浴びせられる。
 心療内科に通い、半年間、仕事を休んだ。その後、上司の退職を機に復職することはできたが、自信は取り戻せないまま。
 そんな時、男子部の“お兄さん”が会いに来てくれた。
 「マットン、牙城会に入らないか?」
 先輩は約束を覚えていてくれた。しかし、どうするか迷った。牙城会には、会館の玄関で、会員を迎える任務がある。“人と話すことが苦手な自分に、務まるかどうか”
 母が「やってごらん」と背中を押す。姉はスーツを買ってくれた。
 初着任の日。男子部の先輩が家まで迎えに来てくれた。緊張の面持ちで、受付に座る。来る人来る人が「マットン、偉いね!」と声を掛けてくれた。「よう頑張ってるな」と肩を抱いてくれた。
 励ましてくれる人たちを見て思った。“僕も誰かを笑顔にできる人になりたいな”
 ある友達の顔が思い浮かんだ。
 彼も足に障がいがあって、職場の人間関係に悩んでいた。自宅に招待して、仏法の話をした。
 緊張して、多くは話せなかった。けれど、その分、短い言葉に、ありったけの思いを込めた。
 「ぼ、ぼ、ぼくは、君と、この信心で悩みを乗り越えていきたい」
 友達は笑顔で、うなずいた。
 「僕も、マットンのように自分を変えたい」。昨年4月、彼は学会に入会した。
 * 
 雅敏の体験発表は、終わりに近づいていた。
 「友人を折伏すると、職場の環境が大きく変わりました。今では、部内の先輩、同僚全員に、かわいがってもらっています」
 無事に、最後まで原稿を読み終えることができた。場内の拍手は、しばらく鳴りやまなかった。
 雅敏が大切にしている池田先生の指針がある。「苦労して強くなり、何ものにも揺るがぬ自分を築くのだ。悩みは、皆を勇気づけていく人間王者になる修行なのだ」
 振り返れば、苦労の多い青春だった。けれど、その一つ一つが、目の前の人を「笑顔」にするための力になっている気がする。
 恩返しのドラマは、まだ始まったばかり。マットンは、これからも、愛する地域で、愛する人たちと、希望の未来を織り成していく。

さあ、今日はけんたろうたちと、ご近所へのあいさつ回りをしよう。

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