すてきな「お母さんの夢」
今日の帰りに読んだ〈名字の言新100選〉の中の一つがすごく良かったので、紹介します。平成16年から18年までの間の作品ですが、掲載された日付はのっていませんでした。
すてきな「お母さんの夢」
「お母さんの夢」という小学1年生の作文を読んだ。母に、小さいころ何になりたかったかを聞く場面から始まる。
「いろいろなものになりたかったよ」と答える母は、クリーニング店の仕事に興味を持ち、遠足でバスガイドにあこがれ、食事に行くとウエートレスになりたいと思った。そんな子ども心を、率直に伝えていく。
子どもは「お母さんのゆめは、かなわなかったんだね」と。しかし、母は全部かなったという。家族の洗濯物にアイロンをかけ、夫が運転する車ではガイド役、家族の食事を出す時はウエートレスーーその答えに、子どもは「大人っていいなあ」と結ぶ。
お母さんの夢はかなわなかったと思った子どもの気持ちが、母のふっくらとした言葉ひとつで、こうも変わる。何気ない日常を、いつもみずみずしい感性で前向きに受け止めていくことの大切さを痛感した。
ひとつの出来事や言葉をどう受け止めていけば、自身の前進のエネルギーになるのか。日常会話を、その“練習問題”と考えると楽しくなる。
すべてを前向きにとらえるのが仏法者の生き方。縁する人すべてに、振る舞いを通して、“生き方の見本”を示せる自分でありたい。